看護師と保健師の主な違いは、大きく分けて2つあります。1つ目は、仕事内容です。看護師は傷病者に対する医療的なケアや、日常生活に密着した健康管理などを行っています。また、患者と家族への精神的なケアも仕事のうちでしょう。一方、保健師の仕事は保健指導による病気の予防や健康の維持、増進を図ることです。看護師の役割が怪我や病気の治療なのに対して、保健師の持つ役割は怪我や病気の予防という違いがあります。
2つ目は、資格を得るための条件です。看護師資格と保健師資格はどちらも国家資格ですが、保健師資格は看護師資格の上位資格にあたります。よって、看護師資格を保有していないと保健師資格は得られません。看護師国家試験の受験資格を得るための方法としては、大学や専門学校での看護養成課程の修了が挙げられます。また、准看護師の資格の取得後に7年以上の実務経験を積んでいくことも、看護師国家試験を受けるための方法の1つです。
保健師資格を取得するためには、看護大学のような看護師と保健師の資格を両方得られるカリキュラムが導入された学校を卒業する必要があります。看護師資格の取得後に、保健師養成課程を修了したうえで、保健師国家試験を受験することも可能です。看護師国家試験と保健師国家試験を両方受験する場合、片方に合格してもどちらか一方でも不合格だと保健師として働くことは認められません。しかし、保健師国家試験に合格すると、看護師国家試験が不合格でも再度試験を受けて合格できれば、保健師資格の申請が可能になります。